骨董品の買取相場はいくら?品種別に解説!

公開日:2023/05/09   最終更新日:2023/06/20


骨董品の価値を出すためには、美術品に関する知識やその価値を見分ける鑑識眼が必要です。その為、一般の人が骨董品の価値を判断することは非常に難しいといえるでしょう。

ここでは骨董品の簡単な相場を紹介します。ぜひ買取の際の参考にしてみてください。

高く売れやすい骨董品は?

基本的に骨董品は「時価」と言われていますが、時期に関わらず高い査定結果が出るものがあります。それはまず、希少性が高いものです。

骨董品の基準は製造されてから100年以上経過しているものとされます。古ければ古いほど希少価値も高まります。

他には時代を感じることができる物です。製造されてから100年以上経過していなくても、古き良き時代を感じることができるようなものはアンティーク品として高値が付くことがあります。

家電や雑貨、足踏みミシンはインテリアだけでなく実際に使用することもできるので非常に人気が高い骨董品とされています。動かなくても3,000円~5,000円、動作確認できるものは1万円~2万円前後で買い取られます。

骨董品の値段の決まり方

骨董品の買取価格は歴史的価値、状態、作者・作品の人気の3つのポイントから査定が行われます。まずは歴史的価値ですが、日本では戦前につくられたものが特に歴史的価値のある、希少性の高いものとして認められる傾向にあります。

そして骨董品は主に「美術工芸品」と「民芸品」に分類されますが、一見似たように見えるものでも有名な作家や、焼き物の産地によって大きな差が出ます。また同じ時代に制作されたものでも、ものによっては評価が変わることもあります。

そして次に状態です。100年以上前に作成されたものなので、必ずしもよい状態で保存されているとは限りません。

例えば保存状態のあまり良くない無名作家の作品で参考買取価格が50,000円の骨董品があったとして、この骨董品が保存状態が良い美品だった場合買取価格は2倍または、それ以上の価格が付くことがあります。無名作家のものでも2倍以上の価格がつくのであれば、状態の良い有名作家のものであれば、百万円は超える査定額が付くこともあるでしょう。

最後に作者・作品の人気です。繰り返しますが有名作家の制作したものは無名作家に比べて価値に大きく影響します。

また作品そのものの人気もあります。例としてコレクターが多い茶道具のなかの茶碗では、箱に家元の書付きや花押が入っているかが大きなポイントです。

また鑑定書があるもの、加藤唐九郎や三輪休雪などの有名作家の骨董品は買取需要が高いので、高価買取が期待できるでしょう。

骨董品の買取相場

陶磁器

陶磁器は縄文時代から日本で作られています。そのため流通数が最も多く、最近では海外から日本へ買い付けに来る方も多く需要が高いといえます。

著名な作家によるものであれば3万円以上の価格がつくことがあります。買取相場は数百円~数十万円と幅広く、産地ものの陶磁器のなかでは、瀬戸焼の買取相場が高いとされています。

有名産地の有田焼や備前焼など限定生産や残存数が少ない焼物の中でコレクター需要の高い壺や皿は驚きの価格になることもあります。また作家や知名度、人間国宝に認定など後世に影響力があったことも評価対象となります。

絵画

絵画は油絵、水彩画、日本画と多くのジャンルがあります。素人や無名の作家のものは値段が付かないものがありますが、有名な画家が描いたものは1万円以上の買取価格がつくことがあります。

人気画家の作品が高いのはもちろんですが、その画家を代表するモチーフが描かれたものであれば高く反対にその画家らしくない作品は安くなってしまいます。具体的に市場で高値がつきやすい作家は横山大観、草間彌生、アンディーウォーホル、が挙げられます。

コレクターに有名な作品だと数百万以上の値が付くこともありますが、存命する作家は活動歴が長いほど効果になる傾向があります。

茶道具

茶道具は、急須、茶入れも査定対象になります。茶道に必要な釜や柄杓などが揃っていればさらに買取価格は上がります。

有名作家のものの場合安くて数万円、高いと数百万円と価格にばらつきがあります。同じ作家のものでも人気があるものとないものが存在していて、高価な素材を使用している場合は銘がなくても高価査定になるものもあります。

掛け軸

掛け軸は動物画や人物画、書画、仏画などあらゆるモチーフを描いたものがあります。作家も多く査定が難しい品種でしょう。

作家名が判明しているも物であれば2,000円〜3,000円程度の買取価格が期待できますが、値が付かないこともあります。掛け軸の買取価格を決定するのは、誰の作品かということです。

状態が悪くても有名作家のものであれば値がつきます。また中国掛け軸は日本掛け軸より高値での買取が期待できますが、それだけ贋作も多く存在します。

中国美術品

中国美術品も最近需要が高まってきています。またそれに伴い買取相場が上昇しています。

相場としては1949年以前に作成され、国内に残っている中国美術品の買取相場は5万円以上と高額です。理由については、中国富裕層の投資ブームと2007年に中国の法規制により中国文化財が海外へ持ち出し禁止になったこと、中国の歴史により制作時期が古い作品が多いことがあげられます。

特に中国の法規制により現在は1911年以前に生産された文化財は全て持ち出し禁止。1949年以前に制作された歴史的、芸術的、科学的価値を有する文化財は原則として海外への持ち出しが禁止になっています。

これらの規制により日本国内にある古い中国美術品の数が少なく、希少価値も上がっています。また陶磁器や仏像、書道具、壺などと種類も多く、特に唐代に成立したといわれる水墨画は、価値が高く高価買取が期待できます。

作品の状態や作家により特に高価買取が実現する可能性があります。中国美術品は本物と見分けがつかないほどレベルの高い贋作もあるので注意が必要です。

骨董品の相場の変化

骨董品の相場は時期で変化します。例えばハリウッド映画で侍を主人公にした映画が公開されたときなどは、日本刀や甲冑をネットオークションや骨董品店で探し求める外国人が急増しました。需要が高いときに売ることで、通常時より高価で買い取ってもらえる可能性が高まります。

このように骨董品の相場は時期と市場によって変動する「時価」となり、かなり流動的ともいえます。世界中で行われているオークションでの落札価格や市場での取引価格、取引件数から現在のトレンドを導き出し相場を算出します。

その為骨董品の相場は、商品知識はもちろんのこと骨董品業界の動向を追うことができていないと算出することができません。骨董品業界に精通した人間でないと不可能に近いでしょう。

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まとめ

骨董品の買取価格相場について少しはわかっていただけたでしょうか。骨董品の種類には紹介しているもののほかにコインや刀剣・甲冑類、象牙・珊瑚・翡翠製品などがあります。

素人には難しい骨董品の相場ですが、今はインターネットである程度調べることが可能です。ですがインターネットで見たものの、似たような作品でも値が付かなかったり、ガラクタだと思っていたものに思わぬ価値が合ったりと判明する場合もあります。

その為、思い付きで査定に出すのではなく、合い見積もりなどで相場を確認するのが一番です。一番高い買取価格を提示してくれる業者に売ることが適切といえるでしょう。

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