日本刀の買取は特殊?買取に出すときの注意点とは

公開日:2023/06/15   最終更新日:2023/06/20


日本刀の所有は登録制です。先祖から継承した日本刀を持て余し、買取を考える人も多いでしょう。日本刀の買取は他の物品と違って特殊なのかな、と疑問に思いませんか。所有する日本刀に関して、相続時に説明を受けていればよいのですが、何の知識もなく継承する人も多くいます。この記事では日本刀の買取と登録証について解説します。

日本刀の買取に必要な銃砲刀剣類登録証とは

日本刀の買取は他の美術品と比べて、少し特殊です。その理由は買取時に刀剣1本につき、銃砲刀剣類登録証が必要となるためです。日本は銃砲刀剣類所持等取締法、いわゆる銃刀法によって、銃や刀剣類の所持が禁止されています。

しかし、美術品として価値のある日本刀は登録し、届け出ておけば所持が認められるのです。都道府県の教育委員会に届け出ますが、このとき発行される証明書を銃砲刀剣類登録証と呼んでいます。殺傷能力の高い刀剣類のなかでも、日本刀の完成度は世界でも群を抜いており、武器、兵器として極めて優れていることは誰もが周知の事実です。

一方で無駄のない機能性、地鉄の模様、刃文などに美が見いだされ、美術的価値は計り知れません。武士の魂と呼ばれるように、日本人の精神性にも深く結びついています。先祖から子孫へ、日本人の心として受け継がれてきました。

ですが、危険物でもあるため、刀剣類は管理、登録されなければなりません。登録証のない日本刀を発見したら、すぐさま管轄の警察署に届け出なくてはならないのです。登録のないまま、みつかった日本刀を所持すると、銃刀法違反で罰せられます。紛失したら都道府県の教育委員会に、再発行を依頼しなくてはなりません。

つまり銃砲刀剣類登録証は日本刀を所有している限り、保管しておかなければならない重要な書類なのです。遺品として所有者が変更になったら、すみやかに名義変更を届け出ます。日本刀を手放したくなったとき、買取にも必要な書類なので、必ず所在を明らかにしておきましょう。銃砲刀剣類登録証は日本刀とは別に、金庫などに保管されていることも多くあります。銃砲刀剣類登録証の無い日本刀は、買取に応じてもらえません。

銃砲刀剣類登録証を紛失したときはどうすればいいの?

銃砲刀剣類登録証を紛失したとき、紛失に気付いたときは速やかに再交付の手続きをしてください。

まずは最寄の警察署に「銃砲刀剣類登録証を紛失した」と、申し出ましょう。警察署は紛失した証明書を、遺失物として扱います。その際、警察から遺失物届け出の受理番号が交付されるので、大切に保管してください。

次に日本刀を登録していた、都道府県の教育委員会に「銃砲刀剣類登録証を紛失したので、再交付を受けたい」と連絡を取ります。どこに登録してあったのかわからない、登録先が不明なときは、現在住んでいる都道府県の教育委員会に連絡してみましょう。教育委員会が日本刀取得の経緯を調査します。

都道府県から「登録証再交付申請書、鑑定申請書」「銃砲刀剣類登録証届出書」が送付されるので、必要事項を記入してください。その際、遺失物届け出の受理番号が必要です。書類返送後に登録審査会が開かれるので、送付された案内書に従って、参加します。

当日に日本刀を持参しますが、専用の袋やゴルフバッグ、釣り竿ケースなどに入れて、全体を覆ってください。一見して日本刀とわからない状態にして、運搬します。登録されていた日本刀と一致するか、を審査します。審査の結果、元の登録内容と一致すれば、登録証が再交付されるでしょう。再発行の手数料3,500円(税込)が必要です。

万が一、一致しなかった場合は、全国の教育委員会でデータを照会します。審査の結果該当する日本刀のデータがなかった場合、新規登録として手数料6,300円(税込)を支払い、登録証が発行されるでしょう。再交付された銃砲刀剣類登録証は、大切に保管し、家族と情報を共有してください。

日本刀はできるだけ早く買い取ってもらうことが吉

日本刀の知識がなく、持て余している人は、できるだけ早く業者に買い取ってもらうことをおすすめします。自宅に保有する日本刀は、たとえ美術的価値が高いものであっても、適切なメンテナンスを施さなければ、経年劣化は避けられません。

日本刀のメンテナンスは3か月に1度行うのが理想ですが、慣れた人でなければとても難しい手入れです。目釘抜き、丁子油、打粉など専用の道具が必要となり、研師に研磨を依頼すれば費用もかかります。経年劣化、整備不良で美術的価値を損なう恐れがあるなら、早い段階で買取を考えるべきでしょう。買取を依頼するときは、必ず銃砲刀剣類登録証を手元に用意してください。

おすすめの美術品買取業者はこちら

まとめ

日本刀の買取が他の美術品と比べて特殊な理由は、銃砲刀剣類登録証が必要となるためです。銃砲刀剣類登録証は都道府県の教育委員会が刀剣類に対して、発行する証明書であり、紛失すると再交付を願い出なくてはなりません。再発行された登録証は大切に保管し、家族と情報を共有しましょう。日本刀のメンテナンスにはとても手間がかかり、経年劣化していきます。メンテナンスに自信のない人は、できるだけ早く買取を検討してください。

おすすめ関連記事

検索

【NEW】新着情報

今回は絵画買取におすすめな業者6選と絵画を高値で買い取ってもらうコツについて、詳しく解説します。自分が知らないだけで、プロに目利きしてもらえば高値で買い取ってもらえたりしますので、ぜひ参考に

続きを読む

西洋アンティークは、美しさと歴史を兼ね備え、多くの愛好者がいます。現在も需要がありますが、アンティーク品を高く売るためには、自身の知識と戦略が必要です。本記事では、西洋アンティークを少しでも

続きを読む

金や銀の買取価格は、純度で決まります。主な金銀製品は、有名ブランドのアクセサリーや記念硬貨、銀製の美術品や骨董品などです。もちろん高額買取が可能なものもあるため、買取店を厳選することが大切。

続きを読む

彫刻作品の価値はその独自性と芸術的な要因に基づいています。作家の名声、作品の状態、材料の価値、テーマ性などが重要です。本記事では、どのような彫刻作品が高く売れるかに焦点を当て、買取時のポイン

続きを読む

陶磁器は、日本の骨董品市場において高い人気を誇る美術品のひとつ。しかし、どんな陶磁器でも高く売れるわけではなく、高値で売るには知識とコツが必要です。作家や状態に注目し、適切な売却先を選ばなけ

続きを読む

茶道具は、茶道をたしなむための道具であるとともに、美術品の一環としても高い評価を受けています。そのため、正しい知識と方法で売却すれば、意外なほどの高値がつくこともあるでしょう。この記事では、

続きを読む

骨董品は、歴史や文化を感じさせ、ロマンにあふれています。しかし、その価値を維持し、高値で売却するには知識が必要です。昔の材質でつくられた骨董品は痛みやすく、価値が落ちやすくなっています。この

続きを読む

絵画を買取する場合、「作者名」が重要な点となりますが、そのほかにも絵画の保存状態が買取の価格を左右されると言われます。絵画は材質や絵の具などのいろいろな要素でどうしても傷みやすくなってしまう

続きを読む

掛軸は、昔から日本で親しまれてきたものです。「実家に帰ると掛軸が飾ってあったりする」というご家庭もあるのではないでしょうか。ですが、掛軸が昔から存在しているのは知っていても、その価値や種類、

続きを読む

絵画の売却には税金がかかることはご存知でしょうか。絵画は投資などの目的で購入される場合もあります。しかし、税金のことを知らずに売却や投資をすると後になってから税金を払うことになります。売却に

続きを読む