偽物の美術品は買取できる?真贋判定のポイントとトラブルを防ぐ方法を解説

公開日:2026/01/15  

真贋判定のポイント

美術品を売却する際に、多くの人が気にするのが「偽物か本物か」という問題です。とくに相続や遺品整理などで手元にある作品の真贋が分からない場合、どこに持ち込めばよいのか不安になる方も多いでしょう。この記事では、美術品の偽物が買取できるのか、真贋判定の仕組みやトラブルを避けるためのポイントについて詳しく解説します。

美術品の偽物は買取できるのか?

美術品の世界では、古くから「贋作(がんさく)」と呼ばれる偽物が存在しています。市場には本物そっくりに作られた模倣品が流通することもあり、真贋の判定は非常に重要な要素です。

一般的に、美術品買取店では「本物」と確認できる作品のみを買い取ります。真贋が不明な状態の作品は、原則として査定金額がつかない、もしくは「参考価格」として取り扱われるケースが多いです。

偽物でも価値がつく場合もある

ただし、完全な偽物であっても、装飾品としての価値や美術的価値が評価されることがあります。たとえば、有名画家の模写や模倣作品がインテリア目的で取引される場合や、歴史的背景をもつ贋作が「文化的資料」としてコレクターの関心を引くこともあります。

このような場合、あくまで「美術品」ではなく「装飾品」「工芸品」として査定される点がポイントです。

買取を断られるケース

一方で、贋作や偽物と明確に判断された場合は、買取を断られるのが一般的です。とくに、贋作を本物と偽って販売しようとした場合には「詐欺罪」などの法的責任を問われることもあるため注意が必要です。

本人にその意図がなかった場合でも、販売時に説明を怠るとトラブルに発展するリスクがあります。

真贋判定はどう行われる?プロが見る5つのポイント

美術品の真贋を見極める作業は非常に専門的であり、鑑定士や美術商が複数の観点から総合的に判断します。ここでは、一般的な真贋判定の流れとチェックポイントを紹介します。

サインや落款の確認

まず注目されるのが作品に記されたサインや落款です。有名画家の作品であれば、筆跡や刻印の位置、字体の癖などが重要な手掛かりになります。

ただし、模倣の技術が高い贋作者も多く、サインだけでは判断できないことがほとんどです。

材質や技法の分析

次に、使用されている絵の具や紙、キャンバスなどの素材が鑑定対象となります。作品が制作された年代と材料の一致を確認することで、本物かどうかの裏付けを取ることができます。

科学的な手法としては、蛍光X線分析や赤外線調査を用いることもあります。

制作年や来歴の確認

作品の来歴(プロヴェナンス)は真贋判定において極めて重要です。過去にどのギャラリーで販売されたのか、どの展覧会で展示されたのかといった記録があることで、真作である可能性が高まります。

鑑定書の有無

著名な画家の作品には、しばしば専門鑑定機関や美術館が発行する「鑑定書」が付属しています。鑑定書があれば信頼性は高まりますが、鑑定書自体の偽物が存在する場合もあるため、発行元が正規かどうかも確認する必要があります。

専門家による総合判断

最終的には、美術商や鑑定士の経験と知識に基づく「目利き」がものをいいます。筆遣いの特徴、構図のバランス、色彩感覚などを総合的に分析し、本物と偽物を見極めます。

このように、真贋判定は単なる直感ではなく、長年の経験と科学的根拠に基づいて行われるのです。

偽物トラブルを防ぐために知っておくべきポイント

美術品の売買では、真贋をめぐるトラブルが後を絶ちません。知らずに偽物を購入したり、逆に偽物を売ってしまったりすると、損害賠償などの大きな問題に発展する可能性があります。

トラブルを未然に防ぐためには、以下のようなポイントを押さえておきましょう。

信頼できる買取店を選ぶ

美術品の取引では、鑑定士が常駐する信頼性の高い買取店を選ぶことが大切です。専門知識のある鑑定士がいる店舗なら、作品の価値を正確に見極めてくれます。

また、査定結果に納得がいかない場合は、複数の業者でセカンドオピニオンを取るのもおすすめします。

鑑定書や証明書を保管する

作品購入時に付属していた鑑定書や証明書は、売却時に大きな役割を果たします。とくに、作家本人や公式団体が発行したものは信頼性が高く、査定額にも影響します。

紙媒体だけでなく、写真やデジタルデータとしても保存しておくと安心です。

相続や遺品整理の際は専門家に相談

相続で受け継いだ美術品は、真贋不明のまま保管されているケースが多く見られます。価値を知るためにも、専門の鑑定士や美術商に早めに相談しましょう。

場合によっては、専門機関での鑑定を通じて正式な真贋証明を受けれます。

フリマアプリや個人取引はリスクが高い

近年、オンラインのフリマアプリやオークションで美術品を売買するケースも増えていますが、真贋保証がない取引は非常に危険です。万が一偽物と判明した場合、返品や返金対応が難しく、法的トラブルに発展するおそれもあります。

偽物をつかまないためにできる自己防衛策

美術品の購入や売却で損をしないためには、最低限の知識を身につけることも重要です。とくに初めて美術品を扱う人は、以下のポイントを意識しましょう。

相場を知る

有名作家の代表作が極端に安く売られている場合は要注意です。相場を調べておくことで、不自然に安い取引を避けられます。

購入履歴を残す

購入時の領収書や取引記録を残しておくことで、後に真贋問題が発生した際の重要な証拠になります。

定期的な鑑定を依頼する

作品の保管状態が変化したり、美術市場の評価が変わった場合は、定期的に鑑定を受けて最新の価値を把握しておくことが望ましいです。

まとめ

美術品の世界では、真贋の見極めが取引の成否を左右します。偽物は原則として買取対象になりませんが、装飾品として一定の価値をもつこともあります。とはいえ、知らずに贋作を売買してトラブルになるケースも少なくありません。大切なのは、信頼できる鑑定士や買取店を選び、正しい手順で査定を受けることです。鑑定書の有無や来歴の確認、複数業者での比較を怠らなければ、安心して美術品を売却できます。美術品の価値を最大限に引き出すためにも、まずは真贋判定の重要性を理解し、安全な取引を心がけましょう。

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